するとタイミングよく、キーンコーンカーンコーン、と昼休み終了のチャイムが鳴り響いた。
「じゃあな、みぃちゃん」
「おう、頼んだぞ」
「はいはい。わーったよ、みぃちゃん」
何度も「みぃちゃん」と職員室で呼んでいるのに、みいちゃんは注意するどころか満面の笑みだ。
一気に機嫌がよくなったな。
俺は不機嫌になるぎりぎりだっつのに。別にいいけど。
頼まれたからには、できるだけ頑張るつもりだし。
次の古典の授業をサボってしまいたい衝動に駆られながら、職員室をあとにした。
言わずもがなサボりはせず、真っ直ぐ教室に向かう。
鼻の奥で、甘い香りが反すうしていた。
――放課後、俺は、みぃちゃんに感謝することになる。