「みぃちゃん、俺に何の用?」
「みぃちゃん言うな。ここでは宮根先生と呼べ」
はいはい、と軽く流す。
みぃちゃんは敬語を一切使わない上に、、フレンドリーな態度を取る俺に呆れていた。
別に、みぃちゃんを見下しているわけでも、どうでもよく思ってるわけでもない。ただ、みぃちゃんが接しやすい先生なんだ。
「で、何?」
「更科は体育委員になったんだよな?」
「そうっすけど……」
「悪いが、今日残って、体育館を掃除してくれんか」
「は……はあ!?」
さらっと頼まれたから、さらっと「はい」って了承しようとしちまったじゃねぇか!あっぶねぇ!
確かに体育委員だけど、俺1人で体育館の掃除!?無駄に面積の広い場所を!?
やるわけねぇだろうが!どんな罰ゲームだよ、それ!
「あんな広いとこ、誰がやるかっ」
「体育館じゃなく、体育館にある用具室なんだが……」
用具室?
あの埃だらけの、全く掃除されてる気配がない……あそこ?
「なおさらやるわけねぇだろう!」
「頼むよ、更科」
「いくら頼まれたって……」
「本来は、新1年の体育委員の1人に掃除させる予定だったんだが……その1人が女子でな。もう1人必要だろうってことになったんだ」