一歩間違えればストーカーも同然……いやいや、違う!ちょっと気になってただけ!ちょっと探してただけ!そんな行為がようやく報われ、また出会えたはいいものの、ただそれだけ。
邂逅【カイコウ】できただけに過ぎず、まだ何も、自分の気持ちすらなーんにもわかっていない。
遥陽にしていた相談だって、ぶっちゃけ「気になる子がいる」程度の内容だ。
皆に打ち明けるのは、せめて自分のことを全てわかりきってからがいい。
そうでなきゃ、話してる自分もこんがらがって、よりわからなくなってしまう気がして。
「え、あれじゃねぇの?お前が上の空になってる理由。今朝のやつだろ?」
ここで空気を読まない男、登場。
せっかく一区切りつこうとしていた話題を、デザートのプリンを食べながら蒸し返しやがった。
お、おのれ、碧めぇ……!
しかも、バレてたし!
「あ、図星って顔してる。やっぱそうなのか」
ドヤ顔すんな!
あー、もう!なんでバレてんだよっ!!
地味にショックだ。プラス恥ずかしさが相まって、どう反応したらいいか迷ってしまう。