収穫時期は、人それぞれ。
落ちてしまえば、引き戻せない。
また新たな芽を出すことは、まだ内緒。
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3*
靴の代わりに熟した林檎
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かけられた魔法は、もうおしまい。
真夜中零時の鐘が鳴る。
ドレスの裾を汚して走る、華奢な背中に手を伸ばす。
あきらめかけた足元に、置き土産のガラスの靴が片方。
まあるく育った林檎だったら、エンドロールを望めたのに。
魔法が解けたら、何が残る?
キラキラだらけのおとぎの夢から覚めたなら。
ありのまま会いに行きなさい。
きっとサイズは、ぴったりだから。