今度こそ、名前を聞こう。
……チャンスがあれば。
今度こそ、よくわからない想いの名前を確かめよう。
……できたら。
今度こそ。
……やれるかな?
「……う、こう、……幸っ!」
「うぇっ!?」
昼休み。
晴々とした青空の下、屋上。
俺と碧と遥陽と要のいつものメンバーで、購買で買ったお弁当やらパンやらを食べながら喋っていた。
「……あ、悪ぃ。呼んだ?」
「お前、今日どうしたんだよ。授業中も上の空だったろ?」
カレーパンを食べ終えた要は、トリップしていた俺の顔の前で、ずっと手を振っていた。
何度目かの呼びかけで、自分の世界から引き戻される。
今朝から、思い耽てしまう。
やっと見つけた、彼女のことを。