初めは、甘美な香り。
次に、赤らむ前の未熟な表情。
最後に、熟れて染まる魅惑の果実。
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1*
赤い頭巾と青林檎
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香りに誘われ、赤い頭巾を追いかける。
待って、待って、と。
木陰に隠れて、抜き足差し足忍び足。
獣の皮をかぶってちゃ、怖がられるに決まってる。
声をかけるなら、できるだけ優しく。
そのカゴの中には、何が入っているの?
そう聞くだけなら、平気だろうか。
まだまだ青い林檎をひとつ、奪う気はさらさらない。
興味があるのは、追いかけてるのは、そっちじゃなくて。
深紅を纏う、きみのほう。