私の欲しい愛とは種類の違う愛ばかりを贈る、世くんの心には、怖くて触れない。


全て壊れるのが怖くて、触れられない。




初めての恋を、そうそう手放せないよ。


諦めが悪くて、ごめんね世くん。



こんな義妹で、ごめん。





気分転換に、窓を開けた。


夜風が吹いて、涼しい。



窓の枠に腕を置く。交差させた両腕に、右頬をすり寄らせた。




世くんは憶えていないけれど、実は私と世くんは家族になる前に一度、会っている。


きっとあの時から、初恋は始まっていた。