本当に、昨日の自分は、すごかった。情熱的だった。
今の俺には無理だ。
とりあえずの応急処置で、深く、深く、深呼吸した。
ちろり、と片方の瞼を持ち上げて窺ってみる。
3人が3人とも、目を剥いていた。
「こ、こ、告白!?昨日『頑張らねぇと』って言ってたのは、告白のことだったのか!?」
「どこに行ったかと思えば、告白しに行ってたのか!?」
「すげーじゃん!ヘタレ返上じゃん!で?で?返事は!?」
要も、遥陽も、碧も、ほとんど同時でそれぞれ聞き取れない。
唯一、碧の『返事は!?』だけは、はっきりすくえた。
「返事は、もらってない」
低く呟くと、要が「なんで!?」とさらに問いかけてくる。
「好きな子が誰かに片思いしてるってわかってるから、聞かなかった」
聞きたくなかった。
終わらせたくなかったんだ。