表向きはからかってるけど、碧は碧なりに本気で応援してくれてるって、ちゃんと知ってる。
「はぁ~」
俺も、大概、友達に甘いよな。
「いいよ、吐いてやるよ」
俺の負けだ。
あ、念のため言っておくが、碧の子犬アピールを可愛いと思ったからではない。断じて違う。
「ほんとか!?」
しょぼくれてた耳が、ぴょこんっと跳ねて立つ。そこまでリアルに想像できた自分が恐ろしい。
元々秘密にしてるわけじゃないし、俺が秘密主義になってもすぐ自爆しそうだし。
昨日の件は、今まで以上にいろんな意味で精神やられたから、口にするのをためらってただけだ。
「碧、テンション高いな」
「どうかしたのか?」
遥陽と要まで集まってきた。
まあ、この際いいさ。1人や2人増えたって変わらない。誤差だ、誤差。