「いただきます」
 
「いただきまーす」
 
「…………マス」
 
「いただきまっすー」
 
「召し上がれ!」
 

ママが言うと皆で食べ始めた。 
 
スクランブルエッグなども食べて、朝食は終わった。 
 
「ごちそうさま」
 


食器を片付け、自分の部屋に戻った。 
 
 


パジャマを脱ぎ、制服に着替える。 
 
ケータイを見ると7時を過ぎていた。 
 
 
「遅刻しちゃう!!!」
 
 
あたしは走って部屋を出た。 
 
 
急いで靴を履いた。 
 

「行ってきます!!」
 
「行ってらっしゃい」
 

ママが言い終わる前に家を出た。 
 
 




「遅刻するー!!」
 
 
あたしはもう、無心で走った。 
 
 
「陽架痢ー!!!!」
 

持っていた鞄を誰かに引っ張られた。 
 
 
「きゃっ!!」
 

後ろを振り向くと、幼なじみの 
 大河原 仁(おおかわらじん)
 
が、自転車に股がっていた。 
 
 
「遅刻ギリギリはきついねー」
 
 
笑いながら言う仁にムッとなる。 
 
 
「仁だって遅刻ギリギリでしょ!!」
 
「俺、自転車だし」
 
「あ………」
 
 
自転車で行けば遅刻にならないかもね……


「てゆーかあたし、遅刻しそうなのに止めないでよ!」
 
「乗る?」
 
仁は自分の自転車の荷台を指差した。 
 
「乗る!!」
 
仁の答えを聞き終わる前に荷台に乗った。