「あぁーあ」
 
 

あたしは、朝起きるとカーテンを開けた。 
 
 
「今日もいいお天気」
 
 
1人、呟く。 
 これがいつもの朝。 
 
 
「陽架痢ー」
 
「今起きたー」


あたしの名前は、 
 望月 陽架痢(もちづきひかり)  

ごく普通の中学2年生。
 
 

パジャマのまま、リビングに行くとママがいつものように朝ご飯をつくっていた。 

「もう少しで食パン焼けるからね!!」
 
ママは笑ってあたしに言った。 
 
テーブルには椅子に座りながら新聞を読んでいる、パパがいた。 
 

「パパ…おはよ…」
 
「あぁ」
 
 
パパの向かい側に座って、コップに入っている牛乳を飲んだ。 
 
 
「はよー」
 

眠そうにリビングに入って来たのはお兄ちゃん二人だった。 
お兄ちゃん達は双子。 
 でも、二卵性ってやつで全然似てない。 
 

兄は羅衣(らい)。 
弟は李衣(りい)。 


「おはよー」
 
「ん………」
 
「おう……」
 
素っ気ない返事。 
 
 
「はい!食パン焼けたよ!」
 
 
ママは1人1人のお皿に食パンを一枚ずつ置いていった。