「どこまで、話したかな?」


そう言うと、青江さんはブラックコーヒーをスプーンで軽くかき混ぜ、一口飲んだ。

「俺が中央高校通ってるって言ったとこまでです。」

「ふふ」

「どうしたんですか?」

「なんでもない」

青江さんは少し笑っているように見えた。

「何歳?」

「18です。」

「ふ〜ん」

「私、何歳に見える?」

「え…22歳」

俺は24歳に見えたが、22歳と言った。

「はたちだよ」

青江さんは少し怒って言った。

「すみません」

俺は謝った。

すると、青江さんはブラックコーヒーを飲みながら、窓の外をずっと見た。

…5分ほど。

俺は窓の外を見ながら、ブラックコーヒーを飲んでいる青江さんが寂しそうに思えた。

「あの〜なんでブラックコーヒーを飲んでいるのですか?俺、苦くて飲めないんです」

「それは、ひ…み…つ!」
そう言うと、俺の鼻を人差し指でポンと触った。

「もっと、仲良くなったら、教えてあげる」

俺はちょっとドキッとした。