俺はとくちゃんの話を聞いて以前、空の『愛のプレゼント箱』をりさこに渡した時、須賀屋が俺に怒ったのを思い出した。

(須賀屋って、普段おちゃらけてるけど、こういう所はしっかりしてるよな)

俺は須賀屋をちょっと羨ましく思った。

その後、ゲームをしてとくちゃんを駅まで送った。
とくちゃんと寄り添いながら…。

「いつも、送ってくれてありがとう。じゃ〜またね。明日もゲーセン行こうね」
「ああ!行こう!!」

俺はとくちゃんと明日またゲーセンに行く約束をした。

次の日の昼休み、廊下を歩いていると前からとくちゃんが歩いて来た。俺に気づいていない感じだった。

「とくちゃん!」

「あ…た…高岡くん!」

とくちゃんは俺に気づいた。

俺は元気無さそうに見えた。

「どうした?なにかあった?」

「……き…今日、約束していたゲーセン、行けなくなった」

とくちゃんは不安そうに言った。

「そうか。じゃ〜また今度行こう!」

「……怒ってない?」

とくちゃんは俺を見ないで言った。

「ん?怒ってないけど…」
「…まあと、と…ともだ…」

「俺ととくちゃんは友達だよ!」

俺は優しくとくちゃんの目を見て言った。

「嘘だ!!まあは約束を破ったんだよ!」

とくちゃんは大きい声で言った。

「約束破ったくらいで、友達を辞めないよ」

「ほんとに?」

「本当だよ」

俺はとくちゃんの頭を撫でて言った。

「やった!また、一緒に行こうね」

とくちゃんはとても良い笑顔で言った。