(あ…愛だ!)

そう!!2年前に病気で亡くなった愛だった。

「いらっしゃ…あっ!まいちゃん!!今日も来てくれの?」

「はい!」

「いつものでいいよね?」
「ええ!」

愛と思った女性は入口近くの4人席の窓際に座った。

マスターはほっとコーヒーとほっとミルクを作り始めた。

「ま…マスター!あの女性(ひと)なんて名前?」

俺はあの女性が愛かどうか確認のためにマスターに聞いた。

「青江舞(あおえまい)ちゃん!!可愛いだろ?最近よくうちに来るんだよ!」

マスターは自慢気に言った。

……愛ではなかった。

俺はなぜか元気がなくなった。

「高岡くん?どうしたの?マスターにあの女性の名前聞いて」

「いや…知り合いに似ていたから…」

俺ととくちゃんは注文した飲み物を飲んで、喫茶店を出た。

俺はもっとあの女性のことを聞きたかったが、とくちゃんがいるので聞けなかった。

「窓際にいた女の人、可愛いかったよね?」

「そっか?ふ…普通だよ」

「そうだよね〜。高岡くんには可愛いりさこちゃんがいるからね〜」

「うっうるさい!」

俺ととくちゃんは歩きながら、話していた。

「じゃあ、あたし帰るね。」

「ああ!また明日」

とくちゃんは駅のエスカレーターに乗ろうとした。

「とくちゃん!!あ…明日また喫茶店行こう?」

「明日は無理。明後日ならいいよ」

「じゃ〜明後日」

「うん!!わかった」

とくちゃんはエスカレーターに乗って帰った。

本当は1人で行くつもりだったがとくちゃんと行きたかった。

青江舞さんに会えるかもしれないと思ったからだ。