俺は少し早く歩いた。早く夏焼さんに渡したいからだ。

いつもの所に愛がいた。

誰か待っている様子だった。

「愛!おはよう」

「あ!?たかちゃん!!待ってたんだよ。学校行こう」

「ああ」

俺は学校へ行こうとした時、カバンを家に忘れたことに気づいた。

「やっべ〜カバン忘れた。愛、この紙袋持って待っといてくれ!!中の箱は絶対に触ったり、開けたりするなよ」

「わかった。何の箱?愛にプレゼント?」

「違うよ!大切な人に渡すんだよ!!」

俺はプレゼント箱を愛に預けると、ダッシュで家にカバンを取りに帰り、すぐに愛の所に戻った。

本当は愛に預けたくなかったが、プレゼント箱が衝撃に弱いと説明書に書いてあったので仕方なく預けた。

「愛、ありがとう」

俺は息を切らしながら言った。

「はい!紙袋」

愛の元気がないように感じた。

「…中の箱触ったりしてないよな?」

「……うん、触ってないよ」

いつもの愛じゃない感じかした。

「そっか」

「そうだ!さっき、夏焼さんと須賀屋さんが通ったよ」

「本当に!」

俺はいつもより早く歩いた。

「たかちゃん、待ってよ」