もう少しで、2人の所へ着こうとした時、俺は勢いあまって、滑ってしまった。

ドテン

俺は滑る瞬間、両手が雪に触れないようにした。

「高岡くん!!」

夏焼さんの声が聞こえた。俺を心配してるように感じた。

「たかちゃん!!」

後ろを振り向くと

愛だった。愛は俺の方へ全力で走って来た。

「大丈夫?」

愛は俺の右手を握って起こそうとした。

「だ…大丈夫。自分で起きるから」

俺は肘を使って起きた。

愛に手を握られたら、終わりだからだ。

「たかっち、大丈夫?」

夏焼さんと須賀屋が心配そうに俺の所に来た。

「大丈夫だって!慌てて、滑っただけだから」

「……そう。それならいいけど」

夏焼さんが俺のことを心配していた。嬉しかった。

俺は

今しかない!!

と思い、夏焼さんと握手しようとした。


「たかちゃん、はいこれあげる♪」

愛が俺の右手に何か乗せた。

(つ…冷たい)

右手を見ると、手のひらサイズの雪だるまが乗っていた。