「あの〜たかちゃんこれ」

後ろを振り向くと、ニンニクと焼肉の匂いがした。

愛が持ってきた、弁当だ。

ご飯の上に焼肉が載ってあり、焼肉のタレがかかっていた。おかずは餃子とニラ。

「たかちゃんのだ〜い好きな、焼肉と餃子とニラのお弁当だよ!!愛の手作り」

俺は頭が真っ白になった。また、お前かと思った。

「なんで?俺のじゃまするんだよ。だいたい、お前はいつも…」

愛に怒った。最中落下事件のことも含めて怒った。

「だって、先週、たかちゃんに怒られて、愛のこと嫌いになったって思ったの。それで、たかちゃんの好きなものを作って仲直りしようと思ったの!!」


愛は泣きながら言った。

「……たかっち!先行くね。」


須賀屋がぼそっと俺に言って、夏焼さんと学校へ行った。

「わかった、わかったよ。俺は怒ってないから、……弁当ありがとうな」

俺は愛の頭を撫でながら、謝った。

「俺、もう学校行くわ!!」

「…うん。」

愛は涙を拭いながら言った。

「明日、いつもの所にいとけよ。」


俺はそう言うと学校へ歩いて行った。