「・・・俺の父さんは病院の院長なんだ・・・でも兄さんがいるから、兄さんが継ぐんだけど・・・幼い頃の俺にはどうしてもその意味が分からなかった」



話をしている宙はどこか懐かしむように遠くを見ていた




「あとを継ぐわけでもないのに・・・医者になる意味も分からなかった」



・・・そうだよね


何のためにやっているのか、わからなくなるよね




「そんな時に瑠衣と出会った」



私を優しく見つめる宙と目が合う



「毎日楽しそうに公園で遊ぶ瑠衣を見て、自然と俺まで笑顔になってた」



・・・毎日見られてたなんて恥ずかしいけど・・・


宙の助けになれてたなら、それ以上に嬉しいことは無い