こんなにも言葉を発するのが苦しいと思ったことはないかもしれない



「･･･蓮斗先輩、私なんかを好きになってくれたこと･･･とっても嬉しかったです。でも･･･私、は･･･宙が」



っ･･･！



私の言葉が途切れたのは、蓮斗先輩に抱きしめられたから



「先輩･･･」



そうつぶやくと蓮斗先輩は、さらに強く私を抱きしめた




「もう1回だけ言わせて･･･好きだ」



そう言った蓮斗先輩はとても苦しそうで、声をかけることも突き放すことも出来なかった




蓮斗先輩は強くて優しくてカッコよくて･･･私にはもったいないくらい素敵な人




「･･･あいつになりたいと思ったことは無いけど･･･あいつみたいに瑠衣に愛されたいって何度も思った。瑠衣を１人で帰らせて、危険にさらしてるのに･･･俺ならずっとそばで守ってやれるのに。なんで俺じゃないんだろう･･･って･･･。」



「･･･せんぱ」



「それでも･･･瑠衣にはあいつしか見えてない･･･。なんで瑠衣の好きになった奴が俺じゃないんだろうな」