音遠は…


「怪我しないように頑張ってね」


「うん、もちろん。ありがとう」


そう言った冬夜くんは音遠の頭をポンポンと撫で、おでこにキスをした


そしてだんだんと赤くなる音遠の顔


「も、もうっ!冬夜!!」


赤い顔の音遠を愛おしそうに見つめる冬夜くん


…っ、見てるこっちまで照れてくる///



「何顔赤くしてんだよ(笑)」


すぐ後ろから大好きな声が聞こえた


「宙!」


隣に来ると私の顔が赤い理由が分かったようで…


「瑠衣もああいう事したいの?(笑)」


「なっ、ちがっ…え?宙??」


いきなり宙が私を抱きしめた


どうしたの…?

朝からおかしいよ?


私を包む大きな体が微かに震えていることに気づく


宙…

「試合頑張ってね!応援してるから!」


ギューッと抱きつきながら必死にいつも通りを心がける


体が離れて宙の顔が見える


驚いた表情から一転、優しい笑顔へと変わる


やっぱり私はこの笑顔が一番好き


「あぁ、さんきゅ。先輩に負けるわけにはいかねぇからな(笑)さ、開会式に出ようぜ」


そう言って私の手を取り歩き出す


宙の様子がおかしい

心のざわつきと、不安が私を襲った