そう説明しても4人とも納得していない
「それ…誰が言ったの?…瑠衣がそんな事で人を転ばせると思ってるの?…もし、人を転ばせたとしても、その後にはちゃんと謝る…瑠衣はそういう子でしょ?」
…確かに入る直前、瑠衣の声が聞こえた気がする
「どうせ、水谷が瑠衣の悪口言っても瑠衣は怒らなかった…だから、宙の悪口を言ったってところだろ」
黙って聞いていた水谷が唇をかんだ
「きっと、瑠衣ならこう言うわ…”宙のことを悪く言わないで”って…」
もしそうだとしたら…
俺のために言ってくれた事に対して、怒鳴ったことになる
後悔と申し訳ない気持ちが入り交じる
「…で、その後何があった?…それだけじゃ瑠衣は爆発しないだろ?」
「…水谷が瑠衣がこの前道端で男と抱き合ってたらしいって言ったんだ。それを瑠衣に聞いたら認めた。それで…」
「また怒鳴ったって言うの?…」
黙っていた冬夜がいきなり会話に入ってくる
「それは俺らが知ってる…お前と帰らなくなって数日後に、瑠衣は不審者につけられたんだ…それを助けてくれたのがその先輩」
…俺と帰らなくなってから…そんな事が
確かに”うん”と言った後、瑠衣は何かを言おうとしていた
それなのに俺は、言葉を遮ったんだ
でも…
「俺は何も聞いてねぇ…」
グイッ
いつも大人しい冬夜が俺の胸ぐらを掴んだ
「…ふざけんなよ?…瑠衣は何回もお前に言おうとしてた…それを聞かなかったのはお前だろ?…暗い道を1人で帰って、誰かにつけられる怖さがお前に分かるのかよ!!」
冬夜が掴んでいた手を離した
「…そんな目に遭ったのに…心配かけるから宙には黙ってろって言うし…お前が他の女と帰ってるの見ても、宙のことだから理由がある、宙を信じてるからって…」
瑠衣…
くそっ…
俺はお前を信じきれてなかったのか…
「…瑠衣のことだから、嘘をつかずにちゃんと説明すれば分かってくれるって思ったのよ。…信じてくれるって…」
ごめん…ごめん、瑠衣…