でも、私の言葉が聞こえなかったかのように、水谷さんが話し続ける
「…宙様は人を見下してたりしますわよね」
「宙はそんな人じゃない！」
ドンッ
頭に血が登り、気付いたら水谷さんの肩を押していた
でも、距離があったのであまり衝撃はなかったみたい
「きゃっ」
それでも、水谷さんは大袈裟に尻餅をついた
「あ、ごめんなさ」
その瞬間、教室のドアが開いた
「宙様！」
水谷さんの声で入り口の方を見てみると、走ってきたらしい宙が立っていた
中の状況を見た宙が目を見開いた
「瑠衣！･･･お前、何やってんだよ!!」
ビクッ
突然、宙が大声を出した
その怖さに体が微かに震え出す
「これ…は…」
自分でもわかるくらい声が震えている
