2人の邪魔をしちゃいけないとは分かってはいるけど、今回ばかりはそうも言ってられない
「ごめんな…宙のやつ、一つのことに集中すると周りが見えなくなること、たまにあるんだ」
帰り道、冬夜くんが慰めてくれる
「ううん。…冬夜くんが謝ることじゃない。宙にも事情があるんだよ、きっと」
「それにしても…瑠衣を放ったらかしにして、宙はいったい何をやってるのかしら」
……
「…宙は毎日、水谷さんと帰ってるよ…」
うつ向きながら呟いた
「「…は?」」
2人が驚くのも当然だ
「瑠衣…それいつから知って…」
「…宙と帰らなくなった日から…」
それを知りつつ、理由を聞けない私は昔と同じ弱いまま
「きっと何かあるんだよ…私が信じないといけない…宙のしてること邪魔したくないから、このことは言わないで欲しいの」
「瑠衣…」
「…わかった。宙には黙ってる。そのかわり毎日、俺たちと帰ること!」
「うん」
こうして私は毎日、音遠と冬夜くんと帰ることになった