震える声でそう言うのが精一杯だった


思いがけない言葉だったらしく先輩はあたふたしている


「え?…どうしたの?」


「帰り道、を…歩いてたら…誰かに、後をつけられて…怖かっ…っ」


言葉にしたことで余計に恐怖が襲ってくる


ガクガクと震え出す体


私の言葉で理解してくれた先輩は優しく抱きしめて頭を優しく撫でてくれる


「…怖かったね…もう大丈夫だよ…」


「うぅ…っ…」


安心感に包まれて涙が溢れ出す


良かった…


先輩が通りかかってくれなかったら、大変なことになっていたかもしれない


しばらくして私が落ち着いてきたのを見て、先輩は体を離した


そして辺りを見回す


もちろん、すでに足音の人物は消えていた