思いっきり走り出す


もちろん足音も走り出す


とにかく全力疾走


恐怖で泣き出しそうになりながらも、走るしかない


「あれ?型無さん?…」


ある十字路に差し掛かった時、声をかけてきた男の人は私を知っているみたい


その一言で少しの安心感が出てくる


制服を見る限り、Sクラスの先輩だろう


シャツの刺しゅうの色からして2年生


すぐに先輩に駆け寄る


「せ、先輩!!…助けてください」