あまり暗くならないように話したつもりだったのに、音遠と冬夜くんの顔は真剣で


「…宙のやつ…何やってんだよ」


!!


今回のことに宙は関係ない


迷惑をかけたくはない


「宙には言わないで!…」


「…どうして…」


「心配かけなくない…」


音遠と冬夜くんはそれ以上、何も言わずに家に送ってくれた


家に帰ってお母様とお父様に”ただいま”と挨拶をする


「あら、瑠衣?頬が赤いわよ?」


!!


お母様に気付かれるわけにはいかない


一生懸命言い訳を考える


「えっと…帰る途中で…電信柱にぶつかったの…」


自分で言ってて苦しい言い訳だと思う


「…あらあら、冷やさないと」


そう言ってお母様は冷やしたタオルを持ってきて、私の頬に当ててくれる


鋭いお母様のことだ


本当は気付いてるのかもしれない


「ありがとう…お母様」