私が言葉を探していると、黙って聞いていた彩翼が口を開いた


「蓮華!…戻りたいなら戻ってもいい!…お前が決めたことなら文句なんて…無い」


悲しそうに、寂しそうに微笑んだ


彩翼は私の意思を一番に優先してくれる優しい人だ

でも無理しているのがバレバレ(笑)


私は龍をまっすぐ捉える

「…ごめん、龍。やっぱり私は彩翼が好きなの。…付き合ってた時、龍を好きだった気持ちも嘘じゃない。でも…辛いとき、悲しいときに一番近くで私を支えてくれたのは彩翼なの…本当にごめんなさい」


「そっか…蓮華を信じきれなかった俺の責任だ…俺こそごめん…」


龍が悲しそうに笑う


「蓮華、本当にお別れだ…」


「…今までありがとう…龍」


龍は今までで一番スッキリした顔で屋上から去っていった


「蓮華…」


そう呟いた彩翼は私を優しく抱きしめた


「好きだ…ずっと前から」


…彩翼


”私も大好き”と言うかわりにギューッと抱きしめ返す