「もう…無理っ…」


「…え?」


今まで見たことないくらいに龍が焦っている



私は気付くと屋上に向かって走っていた


とにかく龍が視界に入らない場所へ行きたくて…


屋上にはフェンスに寄りかかる形でたっている彩翼がいた


「…また何かあったのか?」


私がうなずくよりも早く屋上の扉が開く


私を追ってきただろう龍が来たのだ



「あー…何か察したわ…」


その言葉とともに彩翼の表情がかたくなる


「蓮華!ごめんって言ってるじゃん(笑)」


…何で笑ってられるの?

仮にも彼女が泣いてるんだよ?

優しかった龍はどこにいったの?


どれだけ悩めば

どれだけ泣けば

どれだけ変われば


以前の龍に戻ってくれるの?