お願い…断って…
そう思わずにはいられなかった
私の中でこんなにも宙の存在が大きくなっていることを実感する
それと共に、気持ちに答えられない悲しみで心がいっぱいになった
しばらくの沈黙の後、宙が口を開いた
「ありがとう…」
っ…
もしかしたら、宙は断らないかもしれない
そんな考えが浮かぶ
「…でも、ごめん…。」
「え?…」
女の子の震えた声が聞こえた
「大切な子がいるんだ。だから、君の気持ちには答えられない。」
宙……
「そっ…か、聞いてくれてありがとう…」
女の子は震える声で、そう言い残し図書館から出ていった