何センチ?

そう質問されたときは、150って答えてるけど……じつは147センチ。


女の子は小さい方が可愛い、なんて言われたりもするけれど。

わたしにとって、チビであることはコンプレックスなんだよね。


ちょっとでも高く見せたいわたしは、毎日頭のてっぺんに、おだんごを結っている。



「……で、話戻るけどさぁ」



そんなわたしとは正反対。


高身長美人で、しかも恋愛経験豊富な悠真ちゃんは、かるくため息をつきながら、教室内を見回して言った。



「やっぱ彼氏にするなら年上だなぁって思ったわけよ。同い年の男子はまだまだコドモだよねぇ……っていうか、」



わたしの背後に視線を止めたかと思うと、悠真ちゃんは、いよいよあきれたように、目を細める。



「また寝てるよ。大熊」