大丈夫……そう言おうとして、わたしはガンガンする頭を、ゆっくりと起こした。
そして、気づく。自分が、クラスメート全員分の視線を、集めてしまっていることに。
恥ずかしさに、ぶわっと体が熱くなった。
……もうやだ。どんだけどんくさいの、わたし。穴があったら入りたい……!!
うつ伏せたまま、羞恥で蒸発してしまいそうになっていた……そのとき。
痛さも恥ずかしさも、ふっとぶような出来事がおこった。
「え……わっ」
体の上にかぶさっていた箱が、サッとのけられて。
突然、からだが、宙に浮いたんだ。
「ひゃ……っ」
「保健室、連れて行きます」
降ってきたのは、耳慣れない低い声。
ぼうぜんとして見上げれば、そこには……他に類をみない、するどい眼光。
「………ひっ!?」