悪い妄想ばかりふくらませて、勝手に不安になって。
目の前のことを、おざなりにしていたんだと思う。
余裕がない状態のまま、回ってきてきていた、跳び箱の順番。
ぼんやりとはじめていた助走。
はっと気づいたときには……跳び箱が目の前にせまっていて。
「〜ひゃああああああっ!?」
わたしは助走をゆるめることも、踏み切ることもせず……
ドガシャーーン……!!
ものすごい勢いで、頭から、跳び箱につっこんでしまった。
「う………」
い、痛い……!!
体験したことのない痛みに、思わず口から、うめき声がもれた。
「〜大丈夫!?」
「大丈夫か、栗原!!」
くずれた箱の下敷きになったわたしのもとに、悠真ちゃんや、先生がかけよってくる。