……どうか。

どうか何事もなく、1日が終わりますように!!



けれど、そんなわたしの願いは、しょっぱなから打ち砕かれることになった。



「……っ!?」



教室に踏み込んだ瞬間。


ばっちりのタイミングで、席についていた大熊くんと、目が合ってしまったからだ。


そのするどい視線は、まるでわたしをとらえようと、待ち構えていたかのようだった。


あわてて目を逸らしたものの、なおもビシビシ飛んでくる視線。


全身にぶわあっと、鳥肌がたった。



や……

やっぱりまだ、怒ってるんだ……!!



かたかたと、体が小刻みにふるえだす。


悠真ちゃんが「おはよー!」と抱きついてこなければ、わたしは即座にきびすを返して、猛ダッシュで家に帰っていたかもしれなかった。