それは私の高校生活が終わり、ようやく、公安局の経理課という仕事場にも慣れ始めてきたときのことだった。

その日は、公安局内の月末決算がありとても忙しかった。


やっと、月末決算をやり終えたのは、次の日の午前2時。


とっとと帰りたかったが、生憎、まだ仕事が残っていた。



「公安局、経理課の名嶌です。判子を押して貰いに来ました。一係の宜野座さんはいらっしゃるでしょうか。」


そう言い、その日最後の仕事として、公安局刑事課の宜野座さんに、書類の判子を押して貰いに行くと、


「宜野座は私ですが。判子ですか、少々お待ちを。」



随分、硬い男だと思った。
そして、眼鏡。

硬い男だと思ったと同時に、神経質そうな男に見えた。


その後神経質そうな男、宜野座さんは、私が渡した書類に判子を押した。



これで、私の仕事は終わり。



一度、家に、帰り、ゆっくり休み、また経理課に行く予定だ。