「やばい……」
本格的に、どうしよう。
考えても、考えても、元の世界に帰れる方法は思いつかなかった。
だって、タイムスリップから帰る方法なんて、聞いたことないし……
だから、私は未だ動けずに木の下にうずくまっていた。
「寒い……」
気がつけば、すっかり日は落ちていた。
今、私が持っているのは、手拭いとスマホ。
だけど、時代を超えたら最新機械も使い物にならない。
ずっと圏外だから、メールも使えないし、インターネットなんてもってのほか。
カメラぐらいしか、使えない。
私は、おもむろにスマホを取り出し、画面を開いた。
もう、何回見つめただろう。
こんなことしても、なんにもならないのに……
「はあ……」
私はため息をついて、俯いた。