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その日の夕方、私は山崎さんにあの場所まで送ってもらった。
私の家があるはずの、あの場所に。
「本当に、ここでいいのか?」
私は、コクンっと頷いた。
だって、ここが私の家だし……
「ありがとうございました、山崎さん」
私は、ペコリとお辞儀した。
「ああ、またどこかで会えるといいな」
そう言って、山崎さんは帰っていった。
さて、私はこれからどうしたらいいんだろう……
1人になった途端、不安で不安で仕方なくなった。
頼れる所も、人も、私にはない。
それどころか、ここは私の知っている世界じゃない。
何も分からない世界で、私は1人ぼっちになってしまった。
「どすれば、いいんだろう……」
私は、とりあえず近くの木の下に座り込んだ。
考えよう。
考えて考えて、どうにかして元の世界に帰るんだ……