「でも、危ないところを助けてくれたのは本当の事だし……」
「そうか。
だが、礼を言うのは俺のほうだ。
ありがとう、君のお陰で俺はまた帰ってくることができた」
「いえ、そんな……」
「……それに、俺は君に謝らなくてはいけない。
俺は、神に仕える女性を傷つけてしまったのだからな。
すまない」
そう言って、山崎さんは深く頭を下げた。
「そ、そんな!
顔を上げてください!」
「しかし……」
「いいんです、私、神様に使える人じゃないですから」
「えっ?!」
すると、山崎さんはバッと顔を上げた。
「君は、巫女じゃないのか?」
「巫女さんの服は着てますけど、違うんです。
実家が神社で、よくお手伝いをするから、着てるだけなんです」
ニコッと笑ってみせると、山崎さんはホッとした顔になった。