「は、い……」




「いや、無理に納得する必要は無い」




山崎さんは、そう言うと沖田さんに目をやった。




「沖田さん、彼女を見ていてくれて、ありがとうございます。

 それから、副長が呼んでいましたよ。

 巡察の報告に来るように、と」




「はーい、いってきまーす」




そう言って、沖田さんは腰を上げた。




「それじゃあ、お大事にしてくださいね。

 かわいい巫女さん」




部屋を出る時にそう言い残して、彼は行ってしまった。




「……傷は、痛むか?」




そう言いながら、山崎さんは部屋の入口に座った。




「いえ、大分痛みは引きました」




「そうか、よかった」




「……あの、助けてくれて、ありがとうございました」




そう言うと、山崎さんは驚いた顔をした。




「え、あの……どうされました?」




「いや、まさか礼を言われるとは思わなくて……」