私につられて、泣きそうな顔の赤野も少しだけ口角を上げた。

そんな再会をした私たちに、現状は血生臭いのだと知らしめる様に、後から落下してきた血肉が降り注ぐ。

お互い抱き合う様に顔を伏せ、降り止むのを待った。

「バケモノに食われたの?怪我してない?」

赤野が優しく私を地面に下ろして、髪に付いた肉片を取ってくれた。

「丸飲みされたから奇跡的に無傷よ」

御礼の代わりに、私も赤野の左肩に付着した肉片を取ってやる。

「赤野君はどこから来たの?」

首を傾げると、赤野は血でベタベタの人差し指で記憶に無い扉を指差した。

「隠し扉があったのね」