私は爆発すると瞬時に理解し、細い針で刺したら破裂してしまいそうな目の前の膨らみから慌てて離れる。
だが片手にスマホを持ち、ヌルヌルする手足では上手く前に進めない。
このままでは爆発に巻き込まれて死ぬかもしれない。
グウェェェエエエエッ グウェッ
バケモノの呻き声が止まると、次の瞬間には爆発音が響いた。
膨張した胃壁が爆発し、内側から巨大な黒バラを引き裂いたのだ。
「きゃぁぁぁぁああああッ!!」
当然、胃袋の中の私は爆風に巻き込まれ、バケモノの肉片や体液まみれになりながら、それらと一緒に外へ吹き飛ばされた。
宙を舞い、オレンジ色に変わった空が見えた。
血肉が空に赤黒い斑点模様を作っている。