入れ方にコツがあるのかと、色々試してみたが結果は同じだった。
「どーすんだよ……」
他の扉も、色は違えどドアノブは全て同じだった。
紙と折笠さんを探す為に三階から一階まで全ての部屋を調べたが、ドアノブなんて部品は出てこなかった。
どうしたら良いのか分からなくなり、俺の体から力が抜ける。
ただのガラクタになってしまったドアノブが手から滑り落ちる。
床を転がるドアノブを目だけで追った。
転がり続けるドアノブは、俺が床に広げたアイテムにぶつかり、そこでドアノブは動かなくなった。
俺はその光景を空っぽの頭で眺める。
ドアノブがぶつかったのはスズランの毒が入った丸い香水のビンだった。