どこかできっと折笠さんは俺の助けを待っているはずだ。
俺は扉を押さえておける様な物がないか、持っているアイテムを床に広げる。
クッキー、一本入ったマッチ箱、折笠さんのハンカチで包んだナイフ、毒の入った香水の丸いビン。
どれも扉を押さえられそうになかった。
外したレンガは割れてしまっているし、そもそも薄くて軽いレンガでは扉の押さえにはならない。
「あ!」
俺は青い扉に入り、すぐに戻ってきた。
手には赤い本を持っている。
自分が持っていないなら、別の場所から持って来れば良いだけの話。
扉の前に立ち、ドアノブを握って深呼吸をする。