だとすれば、浮き出た地図の二階の場所から地下へ向かうのは不自然だ。

だが、他に廊下の左右に部屋がある所なんて無かったはず。

ドアノブを掴みながら、左手に握る浮き出た地図を見つめた。

「……部屋じゃない?」

浮き出た左側の部屋の向かいには扉がある。

俺はその扉の先を、浮き出ていないだけで勝手に部屋があると思い込んでいた。

でも浮き出ていないのではなく、その扉が屋敷の玄関だとしたら、見え方は変わってくる。

地図とパスワードの紙を左のポケットにしまう。

俺は止めていた手を動かし、ドアノブを回して廊下に出た。

俺の推理が正しければ、この天井が落下する部屋の右隣に何かが隠されているのだろう。