「赤野君ッ!」 咄嗟に手を伸ばしたが、赤野が手を伸ばさなかったので、助けられなかった。 ドスンッ! 2m以上はある高さから落下した赤野は腰を打ち付けて床に倒れた。 「イデッ!」 落下する中で頭を守る為に、後頭部に両手を回したお陰で、頭を強打することは免れた。 だが、そのせいで腰が犠牲になってしまったようだ。 「だっ大丈夫ッ!?」 腰を摩っている赤野を、三階の床に手を付いて覗き込む。 「だ、だい……じょぶ……」