私は板を全てどかし、縄ばしごを登り切って上の階段の埃っぽい床に手を付いて、腕力で体を持ち上げた。

「どう?大丈夫そう?」

心配そうに赤野が縄ばしごを掴みながら、こちらを見上げている。

素早く周りを見回し、上がった場所が、部屋であり扉が閉まっている事を確認してから赤野に視線を戻す。

「大丈夫よ」

赤野が縄ばしごに足を掛け、ギシギシと縄を軋ませながら登ってくる。

私と同じ様に縄ばしごを登り切り、床に手を付いた時だった。

ブチッ……

「うわッ!?」

縄の切れる音と共に、私の目の前まで登って来た赤野が落下してしまった。