「ええっ、ちがうよ!? どうしてそうなるの?」


「世間的に、あたしは地味子なんでしょ?

雄くんの周りにいる女の、足もとにも及ばないと。アンタ、そう言いたいんでしょう!」


たまちゃんは本気で怒っている。


大変!


そういう意味じゃないのに。


「そうじゃないよ〜! それは、あたしだから……」


「ちがうね。姫ちゃんは今、日本全国の地味子を敵に回したよ」


にっ、日本全国?







「そんな……」


「地味子だからって、恋をあきらめる必要なんてどこにもないの。

かわいくしたところで、中身がってなかったら意味ないじゃない」


たまちゃんが、まっすぐな目であたしを見ている。


自分のことを言われているような気がした。


かわいくなって、見た目に自信が持てれば、雄くんに近づける気がした。