「そうかなー。あたしは、雄くんの幼なじみってだけで、姫ちゃんがうらやましい」


たまちゃんは、まだ雄くんのことが好きなんだ。


遠くから見ているだけのファンでいいとは言ってるけど。


で、あたしはたまちゃんに、まだ雄くんを好きなことを言えていない。


いつか言わなきゃ……


とは思うんだけど、なかなか実行できずにいるんだ。







「幼なじみだけど、あたしが元地味子の姫乃だって知ったら……なんて言うか」


たまちゃんには、雄くんと過去にあった出来事の細かいところは話してない。


だけど、雄くんが高校デビューしたあたしに気づいていないことは話しているんだ。


「えー。それって、あたしに対する当てつけ？」


ジロリと、急にたまちゃんがあたしをにらんできた。