『リナさんっ!! 小木さん指名っす!!』

まだ新米のボーイが私に声をかける。

ホールに出たからには、仕事モードに切り替える私。

『はぁ~い。今行きます』

甘い声を出す私。

笑顔で応答する私。

どれも私自身が作り上げた偽物の自分。

仕事だから仕方ないこと。

クビになんてなったら私の小さな希望がなくなる。