「あんたみたいな出来損ない、いなくなればいいのよっ!」

母親は襟元をつかんでいた手を離すと、私を突き倒した。

お母さん、見捨てないで。

私、上のクラスにいけるように頑張るから。

だからいらない子なんて言わないで!

泣きながら訴えたけれど、お母さんは、

「塾、402教室だから。夕飯は適当にコンビニで買いなさい。迎えにはいかないから」

車のキーを手に持つと、お母さんは家を出ていった。


私は机に置かれた1000円札を財布に入れて、鞄を背負い、塾に向かった。
お母さん、鬼みたいだった。

あんなお母さんは今まで見たことがない。

私だって、頑張ったんだよ?

お母さんに誉めてほしくて、一生懸命頑張ったんだよ?

でもお母さんには伝わらないんだね。


涙が止まらないので、上を向きながら自転車に乗った。

鼻がつーんと痛む。

私が生きている意味って、一体何?

どうして私は生まれてきたの?

母親の人間とは思えない形相を思い出しては体が震えた。

こわい、家がこわい。

家族がこわい、嫌だ、家なんか大嫌いだ。


4月18日 晴れ

今日はお母さんに2回叩かれた。