私と春雪は手をつなぎながら、階段をのぼった。
みしっ、みしっと階段がきしむ。

白い階段にはベージュのカーペットが敷かれていた。

私は階段をのぼりながら、

「どうして家族の泊まってる別荘に私を連れていかなかったの」

「ああ、あそこの別荘にいたらいろははますます傷つけられる。幸い、買い出しに出かけてくる、って言って車でここまで来た。まぁ、あの別荘からそんなに離れてもいないんだけどね」

「そう」

茶色のドアの前にたどり着いた。

春雪は軽くドアをノックした。

返事はないけれど、中から、コンコンという音が返ってきた。

入ってもいいという合図なのだろう。

春雪は私の手を引いて中に入る。


部屋の中はシンプルな家具でそろえられていた。
パイプベッドに座る人影。

カーテンにさえぎられて、光が中にささない。

それでもそれを見るのには十分な明るさだった。
その、春雪のいとこはゆっくりと、私たちのほうを振り返る。

私ははっとした。

女の人がいた。

とても色が白くて、綺麗なのに、顔の半分が焼けただれて、ケロイド状になっていた。

ごくっ。

私は息を飲み込んだ。